いくつになっても漫画爆読み

ハノイで暮らし始めてから読書はもっぱら電子書籍を利用しています。

読書は紙派と言って1年間は我慢しましたが、さすがに我慢の限界が来て、昨年友達が遊びに来た時に初期設定までやってもらってハノイに持ってきてもらいました。(kobo使っています)


使い始めてみたらかなり使いやすく、ブルーライトカットもされていて思ったより目も疲れずあちこちに持って行って重宝しています。

ただ漫画だけは2ページに渡って表現されていたりするので、電子書籍では読みづらく、あまり読んでいませんでした。


が、この度そんなことは言ってられないくらいどハマりし「大人読み」と一気に読んでしまう漫画に出会いました。笑笑


割と今更ですが篠原千絵さんの「天は赤い河のほとり(以下天河)」です。

15歳の普通の女子中学生・ユーリ(夕梨)が古代のヒッタイトにタイムスリップし、紆余曲折を経て皇妃となるまでの話です。


この表紙が一番好きです笑


私は世界史が大好きで、中でも古代オリエントの歴史、文化、美術、装飾品など全てが好きです。もともと好きだったのですが、高校生の時に細川智栄子さんの「王家の紋章(以下王家)」を爆読みし、大学のゼミはエジプト考古学の先生のゼミに入りました。(自分の専攻は文化財だったのですが…)

「王家」は古代エジプトが舞台の話のため、いわばヒッタイトは敵国。当時から「天河」は知っていたのですが、「敵国の話や!」とどこの頑固じいちゃんかよってツッコミたくなる理由、またストーリー展開がほぼ同じと思い込んで読んでいなかったのです…猛省。


確かにタイムスリップしたり、その国の最高権力者(「王家」はファラオ、「天河」は皇太子、後皇帝)に激しく愛され笑、途中の展開も似ていたりします。(天河は王家のオマージュ作品とのことで問題はないようです。)


天河は天河で、また全っ然違う魅力で、その集中力をもっと違うところに使えばいいのにと思えるくらいの集中力で読みきりました。うまいこと実在した人物を絡ませてきて(エジプトのラムセス1世、ネフェルタリとか)、ヒッタイトの皇太子のカイルも、ヒッタイトの歴史の中での最高治世とされたムルシリ2世とされています。


王家の主人公、キャロルはアメリカの大富豪の娘で、考古学を専攻している為古代エジプトへの予備知識が半端ないです。(その分作者の勉強っぷりが素晴らしすぎるのですが)

が、天河のユーリは日本のTHE一般ピープルの三人姉妹の次女で、ヒッタイトへの予備知識もほぼゼロ。


キャロルは古代エジプトの世界では飽くまで「得難い知識を持ったお姫様」なんです。敵国に捕まったら逃げる、エジプトから助けがくるという展開です笑

一方ユーリはヒッタイトの中で、「戦いの女神イシュタル」とされガチで古代の世界で戦います。

(普通の15歳がちょっとの訓練で軍馬乗りこなしたり、剣術使えるかとかそんなこと考えたら元も子もないのでいいいのです。笑)


ユーリは皇太子カイルに守られるだけの存在であることを嫌い、自分もカイルの役に立ちたいと勉強もし、剣術等の訓練もします。もともと頭も良いため、カイルや弟のザナンザ皇子、書記官のイル・バーニと一緒に過ごし、彼らの考えを学ぶうちに次第に国を治める者としての資質が生まれてくるのです。


約20年前に連載が始まった漫画ですが、守られるだけじゃなく、自分も男性を守っていく姿勢、自分の信念は曲げずに己の力で根を這り、置かれた場所で花開いていく姿は、心に訴えかけてくるものがあります。(でもいざとなったら超絶イケメンで自分にゾッコンの男性が守ってくれるとか羨ましい笑)

そういえば最近のディズニーのお姫様達も、待ってれば王子様が来るわ♬ってお姫様じゃないですね。アナ雪はリアル王子が悪役だし、モアナは王子という存在が出てこないし笑 実写の美女と野獣では、ベルが黄色のドレスを脱ぎ捨てペチコートで馬乗り回してますしね。


漫画のヒロインに力づけられたのは久しぶりです。

そして改めて自分は古代史好きと認識。

そして好きなものを引かれるかなって思って隠しちゃうのしんどいな〜って思うようになりました。(ハノイに来てから色々ありすぎて、他人からの眼をすごく気にするようになってしまったんですね)


夏の一時帰国の時に文庫版買って持って帰りたい…16冊あるけど…!!


そしてやっぱりエジプト、トルコ、ギリシャ(クレタ島含む)を回りたい!!ただ残念ながらこの3カ国は今現在情勢不安定。

何が起こるかわからないから、どんなに旅行が好きで、ハノイから複数回のトランジットも構わん!自分の目で見なきゃ気が済まない!と思っていても、命には変えられない…葛藤。


というわけで一刻も早く、世界の平和を望む次第です。笑


ちなみに天河で鳥肌がたったシーンの一つは、ユーリが鉄器と出会う時。いかに古代オリエントの世界で鉄を使いこなすことが、覇権を決めることにつながるのかよくわかります。


Gather ye rosebuds while ye may.

いのち短し恋せよ乙女、いのち短し旅せよ乙女。 人生一度きり、好きなように、心のままに。 と、望むベトナム駐在員女子の徒然日記。

0コメント

  • 1000 / 1000